1. はじめに
フレームDIYラボではアルミフレームやアルミパイプを使ったDIYを紹介していますが、
興味がある人と一緒に「LINK YOUR DESIGN」という共同DIYも行なっています。
これは実際にアルミフレームやパイプを使ったDIYを一緒に協力しながら行う活動です。
アルミフレームやアルミパイプはとても便利な材料で木材にはない優れた特性がありますが、
普段身近にないため使い方がわからないという欠点があります。
そこでアルミフレームやアルミパイプの使い方や選定、設計などをアドバイスしながら
初めての人でも安心してDIYできるようにするものです。
これまで行なってきた共同DIYの様子はこちらから見る事ができます。
アルミパイプやアルミフレームを使ってみたいという方と一緒に共同DIYを行っています。これらの材料はとても便利ですが入手性の悪さからあまり知られていません。そのため部品選定や使い方、加工、組立方法など初めての人はわかりにくいです。そこで共同DIYでは誰もが扱えるようにサポートしています。
今回の相談者はYouTubeを観て御連絡いただいた広島県に住むKさんです。
私の自宅2Fにアルミパイプでテラス屋根をDIYした動画をご覧いただきました。
これまでブログからの問い合わせは多く戴きますが、YouTubeからは初めての相談です。
私の動画を観て作ってみたいと思ってもらったことに嬉しく感じます。
(Kさんからの相談内容)
はじめまして。
テラス屋根をDIY見せていただきました。すごい!です。作りた
10年ほど前に見様見真似で作ったのですが、木材で作ったため、
アルミフレームのテラス屋根にしたいです。
現在は9尺の波板3枚ですが、できれば4枚で作りたいです。
何から手をつければいいかわかりません。
教えていただけませんか?
よろしくお願いいたします。
相談する際に図面や詳細な仕様など必要に思われるかもしれませんが、
始めはそのようなものは必ずしも必要ではありません。
まずはどんな物をどこに作りたいかなど写真やスケッチなどを使って
お互い話し合って徐々に細かな仕様を決めていきます。
それではKさんと一緒にDIYしたテラス屋根をご覧ください。
2. 後付けテラス屋根の構想
まずはKさんにご自宅の様子を写真で見せてもらいました。
こちらには元々木材で作った屋根がありましたが、劣化したため作り直したいとのことです。
相談当初は写真にあるテラス屋根のみを作り直すことでご連絡いただきましたが、
費用を安く抑えられたのでさらに延長して全ての窓を覆うテラス屋根を後付けします。
窓の向かい側にはブロック塀があるのでそこまでを屋根にします。
ここまで屋根を作るとほとんど雨に濡れなくなるため
ちょっとしたガレージのような自分だけの空間になりそうです。
自転車を置いたり雨の日に洗濯物を干すのにも大変便利です。
Kさんに土地の寸法を測ってもらったところ、約幅3m、奥行き8m、高さ3mとなりました。
さて問題は屋根を支える柱をどうするかです。
壁側は特に何もないので独立基礎を作って柱を建てることにします。
問題は住宅側です。
当然、同じように独立基礎を作ってしまうと柱が邪魔になります。
そこで住宅の軒下に屋根を支える梁を直接固定することで柱を建てずに屋根を作ります。
この方法は私の自宅の2階テラス屋根や自転車小屋などでも行なっているものです。
アーネストワン住宅の2Fベランダにテラス屋根をDIYしました。この窓の上には軒もなく日差しや雨が容赦なく部屋の中に入ってきます。そこでアルミパイプと波板で幅3m、奥行き1.5m、高さ2.5mのテラス屋根をDIYしました。特殊な工具不要でたった1日で作れる初心者向けのDIYです。
アーネストワン建売住宅には軒がほとんどないので雨よけする場所がありません。そのため外に置いてる自転車や道具が雨に濡れてしまいます。そこでアルミパイプを使った屋根のある自転車置き場をDIYしました。8×1.8×2.5mと大きな置き場ですが、5万円ほどで作れます。しかも補強や基礎をしっかりすることで大型台風が直撃しても壊れませんでした。
幸いなことにKさんの地域では積雪がほとんどなく、屋根の耐荷重はあまり必要ありません。
この方法を使えば柱を設置せずにテラス屋根を軒下からそのまま伸ばすことができます。
Kさんと話しながらこの構想で進めることにしました。
3. 後付けテラス屋根の設計
構想が決まれば次は具体的な設計を行います。
Kさんの後付けテラス屋根に使用する材料はアルミパイプです。
アルミパイプは金属のアルミでできたパイプで様々な太さや強度が選べるのが特徴です。
しかしホームセンターなどでは取扱いがないため普段目にすることはありませんが、
企業や工場などでは一般的によく使われる材料です。
家庭DIYで利用する金属パイプにイレクターパイプがあります。アルミパイプも同様な用途で利用できますが、イレクターパイプよりも優れた特徴がいくつもあります。ここではイレクターパイプとの比較やアルミパイプの種類について、詳しく紹介しています。
屋根材にポリカ波板を使いますが、アルミパイプとは相性がとてもいいです。
アルミパイプの径がちょうど波板の山に合うためパイプに沿って固定することができます。
アルミパイプへの波板取付作業はこちらの動画で見ることができます。
またアルミパイプはメーカから専用の3D CADが提供されており、
自分で設計することができます。
これを使う事で作る前にどのような構造になるかを様々な角度から見る事ができます。
共同DIYではこのCAD図を元に相談者と話を進めています。
このCADについてはこちらで詳しく動画を使って紹介しています。
アルミフレームやアルミパイプには専用の3D CADが無料で提供されています。そのためこれを使えば作る前に色んな角度から見ることが可能となり、設計ミスが少なくなります。さらに部品の長さや種類、数なども自動で計算してくれるので部品手配ミスや加工ミスも低減することができます。
こちらがKさんと一緒に設計した3D CAD図となります。
使用した材料ですが、アルミパイプφ28mmとφ43mmで設計しました。
図の手前に柱が5本建っていますが、これはアルミパイプφ43mmとなります。
このサイズになると柱を太くしないと全体の剛性が弱くなります。
この柱パイプはブロック塀側に設置するため穴を掘って地中に埋めて独立基礎を作ります。
埋める長さは約500mmなのでその分を見込んで柱パイプの長さを決めました。
アルミパイプはコンクリートの中に入れて直接固定することができるので
基礎がとても作り易いです。
屋外で柵やテラス、ウッドデッキを作るときに独立基礎は欠かせません。ここではコンクリートブロックとモルタルで作る独立基礎を紹介します。セメントを使うと難しそうですがそんなことはありません。誰でも簡単に作れる方法で、しかもとても安く作ることができますよ。
住宅窓側は柱を建てず軒下に直接固定するためCAD図では宙に浮いたようになっています。
また波板などは部品登録されていないのでCAD図では描くことができません。
次にこちらが寸法図となります。
ちなみに屋根の右側には数本下地となるパイプがありませんが、
これはちょうどこの位置に物置小屋があるためです。
最終的にはポリカ波板を14枚使用する大きな屋根となりました。
最後に屋根の傾斜ですが、屋根の下地パイプを斜めに取付ける事で強引に角度を持たせます。
住宅側の梁パイプを高く、ブロック塀側を低くしてそこに屋根下地パイプを取付けます。
大きな角度は作れませんが、雨くらいであれば十分流せるので問題ありません。
ポリカ波板は屋根下地パイプに直接ネジで固定します。
これで後付けテラス屋根の設計が終了です。
4. 後付けテラス屋根の製作
設計が終われば必要な部品を手配して製作します。
このCADでは部品リストも作れるので部品を一括で購入することができます。
しかも4mのアルミパイプであっても無料で自宅まで配送してもらえるため大変便利です。
ポリカ波板はメーカで取り扱っていないため、Kさんにホームセンター等から
直接入手してもらいました。
またKさんは今回初めてアルミパイプを使われるので、各部品の使う部品の位置が
判るように組図を作ってお渡しします。
また屋外で使用する際は経年変化でボルトが緩んでくることもあるので
緩み止め剤をオススメしています。
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アルミパイプの組立作業は六角レンチで締めるだけの簡単作業なので、
組図があれば初めてでも作ることができます。
もし間違って組み立ててしまっても外して組み直すこともできるので安心です。
アルミフレームやアルミパイプの組立ては六角ボルトを締めこむだけの簡単作業です。六角レンチ1本あれば全てを組み立てることができます。ウチの小学2年生の子供でもこの通り。誰が作っても同じように組みあがるので技術が要らず、初めての方やDIYしない人も安心して利用できます。
そして完成した後付けテラス屋根がこちらになります。
住宅から壁まで完全に覆った屋根になっており、床には芝生を敷き詰められています。
またKさんは目隠しに緑を取り入れており、外から中の様子が見えにくくなっています。
これだけのスペースがあると自転車を置いたり洗濯物を干したりと何でも出来そうです。
元々は雨ざらしで外からも見えるため使いづらかったスペースが屋根を後付することで
ちょっとしたガレージのような有効的なスペースに変わりました。
ここだと雨の日に子供が遊んだり、自転車やバイクを保管したり、洗濯物も干せそうです。
Kさんにも喜んでもらえたため大満足なDIYとなりました。
5. さいごに
雨の日でも快適に過ごせる後付けテラス屋根DIYは如何だったでしょうか?
DIY前後で見ると、そのスペースの価値が大きく変わった事がよくわかります。
テラス屋根はスペース価値を変えるDIYだと私は思います。
余ったスペースに屋根を作るだけでとても有効的な空間に変わることはよくあります。
しかしそのような場所は市販の規格品の屋根がそのまま取り付くことはほとんどありません。
このようなスペースは各住宅によって大きさや形状が斜めであったりと様々だからです。
しかしながらアルミパイプと波板を使えば安く簡単に後付けDIYする事ができます。
屋根だけでなく扉をつけたり、デッキを作ったりする事もできます。
自分に合った自分だけの空間を自由に作り出す事ができます。
もし興味があれば是非チャレンジしてみて下さい。
完成した時はとその空間がとても好きになり嬉しくなりますよ。
この記事が皆さんの参考になれば幸いです。
アルミフレームやパイプを使ったDIYを一緒にしてみませんか?
DIYする時間や工具がない
普段DIYをしないので自信がない
そんな方にも安心で手間がかからず欲しい物が手に入る共同DIYです。
一人で考えるよりも複数人で考えた方がよりいいアイデアも生まれます。
まず設計や構想は御自分で考えて欲しいものをイメージしてください。
もし自分で加工から組み立てまでされる方は必要に応じてアドバイスを致しますし、
手間な部品手配や加工をしたくない方はこちらで実施して組み立てる状態の部品を
お送りすることもできます。
初めて使う材料で不安な方も安心してチャレンジすることができますよ。
気に入った物が見つからない場合は試してみては如何でしょうか?
サポートやアドバイスは無料で実施しているためできる事、できない事があります。
詳しいサポート内容や進め方はこちらで説明しています。
またこの材料を簡単に入手したい人向けの
サービスも実施しています。
1日以内にSUS社製商品のお見積りを
提出しています。
ホームセンターで入手できない部品も
こちらだと簡単に入手できます。
これまでのサポート事例はこちら。
「サポート事例集」
より詳しくアルミフレームやアルミパイプを知りたい方は動画で実物を使った説明や
実際にDIYしている様子を見ることができます。
これまで「LINK YOUR DESIGN」で一緒にDIYしてきた記事はこちらから見れます。
また住宅によっては建築基準法に抵触する場合もありますので事前にご確認下さい。
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