(共同DIY)ホンダ NV350に車中バイクスタンドを自作


1. はじめに

フレームDIYラボではアルミフレームやアルミパイプを使ったDIYを紹介していますが、

興味がある人と一緒に「LINK YOUR DESIGN」という共同DIYも行なっています。

これは実際にアルミフレームやパイプを使ったDIYを一緒に協力しながら行う活動です。

アルミフレームやアルミパイプはとても便利な材料で木材にはない優れた特性がありますが、

普段身近にないため使い方がわからないという欠点があります。

そこでアルミフレームやアルミパイプの使い方や選定、設計などをアドバイスしながら

初めての人でも安心してDIYできるようにするものです。

これまで行なってきた共同DIYの様子はこちらから見る事ができます。


(共同DIYサポート事例集)

アルミパイプやアルミフレームを使ってみたいという方と一緒に共同DIYを行っています。これらの材料はとても便利ですが入手性の悪さからあまり知られていません。そのため部品選定や使い方、加工、組立方法など初めての人はわかりにくいです。そこで共同DIYでは誰もが扱えるようにサポートしています。


今回の相談は大阪にお住いのMさんでホンダNV350 スーパーロングワイドの車中に

バイクスタンドを作りたいという内容です。


(ご相談内容)

モトクロスのトランポ(NV350)で運ぶ時のタイヤ止めアルミフレームでと考えています。

車の床に木の板を敷いてあり、そこに固定したいと思います。

写真を添付させていただきましたが、このような感じで作りたいです。

サイズですが、おおよそ横幅120cm、高さ30cm、奥行き30~35cmになります。

私個人で組立て可能か、費用はおいくらいくらいするものか教えていただけませんか?


Mさんはお子さん用のバイクを車体に積んで移動することがよくあるそうです。

その際に車内でバイクを固定するためのバイクスタンドをDIYしたいという相談でした。

共同DIYには本当に様々な相談をいただき、私自身アルミDIYの用途の広さを

勉強させてもらっています。

後部座席のシートを外してそこにバイクスタンドを作ってバイクを載せます。

私はあまり車に詳しくないのですが、バイクを載せることができるというくらいなので

結構大きな車体なんでしょうね。

それではMさんとどんな車中用バイクスタンドをDIYできたのかご覧下さい。




2. ホンダNV350 車中パイプスタンドの製作

2.1 ホンダNV350用バイクスタンドの構想

バイクスタンドとはバイクの前輪が左右に動かないようにタイヤを挟んで固定するものです。

私はバイクに乗らないのでどのようなものかわかりませんでしたが、

Mさんが調べられてこちらのような物を作ることになりました。

出典: トランポプロ(株)

これはトランポプロ(株様が作られているバイクスタンドでこれと同じような構造で

寸法を使い勝手よく変更したものを作りたいということでした。

共同DIYではよくありますが、市販されている物や他の方がDIYされた物と同じ物を作りたい

と相談されることがよくあります。

その気持ちは私もよくわかります。

私も色んなサイトでとてもステキなDIYを見ることができますが、

それと同じ物を手に入れた事は今まで一度もありません。

他のDIYサイトでは材料や作り方を詳しく紹介してありますが、

基本的には一方向の情報発信で双方向のコミュニケーションではありません。

そのため実際に同じ物を作るまでに至らないことが多いと思います。

そんな思いからこの共同DIYである「LINK YOUR DESIGN」は生まれています。

単に自分のDIYを紹介するのではなく、それを見た人が欲しいと思える物を

一緒に作るというコミュニケーションが大切だと考えています。

そのため他のサイトで見た物を作りたい、またはこれまで共同DIYしてきた方と同じ物を

作りたいなど見て欲しいと思った物を一緒に可能な限り作っていけたらと思っています。

さて話はそれましたが、まずは同じような物がアルミで作れるか検討します。

そして作れそうであればMさんに必要な寸法を車中で測ってもらい、

3D CADを使って設計します。

2.2 ホンダNV350用バイクスタンドの設計

いただいた写真を見たところ、アルミパイプで作れそうだと感じました。

アルミパイプは金属のアルミでできたパイプで様々な太さや強度が選べるのが特徴です。

しかしホームセンターなどでは取扱いがないため普段目にすることはありませんが、

企業や工場などでは一般的によく使われる材料です。


(アルミパイプの特徴)

家庭DIYで利用する金属パイプにイレクターパイプがあります。アルミパイプも同様な用途で利用できますが、イレクターパイプよりも優れた特徴がいくつもあります。ここではイレクターパイプとの比較やアルミパイプの種類について、詳しく紹介しています。


アルミの良い点は仮に泥などで汚れても拭き取ればすぐにキレイになりますし、

水に濡れても錆びません。

そのためバイクスタンドの材料には最適化もしれませんね。

MさんからホンダNV350の車内寸法を教えてもらい、CADを使って設計していきます。

アルミパイプは専用の3D CADが提供されており自分で設計することができます。

これを使う事で作る前にどのような物に仕上がるかを様々な角度から見る事ができます。

共同DIYではこのCAD図を元に相談者と話を進めています。

このCADについてはこちらで詳しく動画を使って紹介しています。


フレーム、パイプの3D CAD設計)

 アルミフレームやアルミパイプには専用の3D CADが無料で提供されています。そのためこれを使えば作る前に色んな角度から見ることが可能となり、設計ミスが少なくなります。さらに部品の長さや種類、数なども自動で計算してくれるので部品手配ミスや加工ミスも低減することができます。


こちらが二人で考えたバイクスタンドになります。

基本的な構造は参考写真を元にしてMさんの使い勝手を考慮しながら寸法を決めました。

前方の短いパイプが縦に4本並んでいますが、この2本で前輪を固定します。

Mさんのリクエストでバイクを2台固定出来るように4本のパイプを取り付けてました。

またこのパイプの位置は自由に動かせるのでそこはMさんが現地で調整されます。

またバイクは重量があるためバイクスタンドには補強のコネクタを使って

全体の強度を高めました。

アルミパイプはコネクタと呼ばれる部品を使って自由に組み立てる事が出来ます。


(アルミパイプのコネクタ)

 アルミパイプどうしを連結する部品がコネクタです。コネクタにはたくさんの種類があり、連結方向も直角、水平、クロスなど様々な用途に利用できるようになっています。またパイプに沿って動いたり、パイプを軸に回転したりという可動できるコネクタもあります。これを利用すればDIYの幅が広がりますよ。


車内にはコンパネが敷かれており、このコンパネにバイクスタンドを固定して使います。

これでホンダNV350用バイクスタンドの設計は終了です。

Mさんは車中寸法計測や車中干渉チェック、取付方法検討などを考え、

私は部品選定や設計を担当して2人で協力してDIYを進めていきます。


2.3 ホンダNV350用バイクスタンドの組立て

部品購入は設計図面を渡す事で一括購入することができるので手配漏れやミスがありません。

またメーカが直接自宅まで届けてくれるので長いアルミパイプを頼んだとしても

受け取るだけで済みます。

さらにメーカの最寄り営業所から発送するので送料無料となるのも嬉しいですね。

Mさんの自宅に部品が届いたら後は組み立ててもらいます。

しかし初めて見る部品なのでどの部品をどこで使うかがわかりにくいです。

そのため事前に私の方で組図を作成してお渡ししています。

お互い離れた所に住んでいるので手伝えるところまではサポートするようにしています。

アルミパイプの組立ては六角レンチでボルトを締めるだけの簡単な作業です。

実はこの取り扱いの容易さが共同DIYを可能としています。


(アルミパイプの組立て方法)

 アルミフレームやアルミパイプの組立ては六角ボルトを締めこむだけの簡単作業です。六角レンチ1本あれば全てを組み立てることができます。ウチの小学2年生の子供でもこの通り。誰が作っても同じように組みあがるので技術が要らず、初めての方や普段DIYしない人も安心して利用できます。


そしてMさんが作られたバイクスタンドがこちらになります。

設計通りの物をちゃんと完成されておりホンダNV350車中に固定されています。

バイクスタンドは下のコンパネとネジで固定されており倒れないようになっています。

ちなみにもしバイクスタンドが邪魔になる場合は下のネジ止めしたプレートだけを残して

簡単に取り外すことができるのでとても便利です。

実際にバイクを固定されている様子がこちらになります。

自分で自由に固定位置や高さなどを調整できるので使い勝手は良いと思います。

このバイクスタンドは作る事はとても簡単ですが、部品選定や構造設計などは

ある程度経験がないと一人では難しいと思います。

しかし「LINK YOUR DESIGN」を使えばお互いに出来ることを出し合って

欲しい物を一緒に作り出す事ができます。

知識や経験、情報、技量などをお互いにシェアしてDIYする事できます。

初めての人でも安心してDIYにチャレンジする事ができますね。

3. さいごに

ホンダNV350用バイクスタンドのDIYは如何だったでしょうか?

このようなチョットしたスタンドや小物はあるととても便利ですが、

市販品では中々ありません。

使用状況や目的に応じて形状や構造が変わり汎用的な物ではないからです。

もしそんな時は自分でDIYしてみるのは如何でしょうか?

ただ作るまで至る材料選定や設計、部品調達が大変です。

そんな時は「LINK YOUR DESIGN」を使ってDIYをシェアするのも1つの方法です。

「LINK YOUR DESIGN」お互いの知識や経験、技量をシェアリングして

一緒にDIYすることで欲しかった物を手に入れる活動です。

例えば大工さんは家を建てますが、設計したり材料選定まで自分でする人は少なく、

そこは建築士が受け持っています。

これと同じようにDIYも設計、材料選定、加工、組立てまで一人で行うことは難しく、

そのためDIYのハードルが高くなっていると思います。

しかし設計から加工までを共同で行い、組立作業のみを行うことでDIYのハードルが下がり、

一人では難しかった物までも作れるようになります。

他のサイトを見ながらいいなぁと思いながらも作れなかった物が

ここでは一緒になって作り上げることができます。

自分一人で作るよりも一緒に作る事で今まで見えなかった完成形が

見えるようになるかもしれませんよ。

この記事が皆さんの参考になれば幸いです。



アルミフレームやパイプを使ったDIYを一緒にしてみませんか?

 DIYする時間や工具がない

 普段DIYをしないので自信がない

そんな方にも安心で手間がかからず欲しい物が手に入る共同DIYです。

一人で考えるよりも複数人で考えた方がよりいいアイデアも生まれます。

まず設計や構想は御自分で考えて欲しいものをイメージしてください。

もし自分で加工から組み立てまでされる方は必要に応じてアドバイスを致しますし、

手間な部品手配や加工をしたくない方はこちらで実施して組み立てる状態の部品を

お送りすることもできます。

初めて使う材料で不安な方も安心してチャレンジすることができますよ。

気に入った物が見つからない場合は試してみては如何でしょうか?

サポートやアドバイスは無料で実施しているためできる事、できない事があります。

詳しいサポート内容や進め方はこちらで説明しています。

Link Your Design

これまでのサポート事例はこちら。

 「サポート事例集

より詳しくアルミフレームやアルミパイプを知りたい方は動画で実物を使った説明や

実際にDIYしている様子を見ることができます。

フレームキャンパス





テラス屋根やアルミパイプを使った共同DIY事例などはこちらからご覧ください。

いずれも皆さん初めてアルミパイプを使われましたが、立派に完成されています。


(隙間スペースを屋根付き自転車小屋に有効活用)

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(マンションにテラス屋根を共同DIY)

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